連載企画!!

「私にとっての障害受容」〜パート5〜

当事者なら障害があることで一度は悩みしんどい思いを抱えたことがある人は多いと思います。障害受容ができにくい理由は人それぞれですが、何かをきっかけにもっともっと自分を好きになって楽しい人生を送ってもらいたいという願いを込めて『ニュースドリーム』では当事者の方々の障害受容をめぐっての連載をしていきます。第5回目の今回は自立生活センター・あるるで活動されている安原美佐子(やすはら・みさこ)さんです。 
プロフィール
安原 美佐子(やすはら・みさこ)

安原美佐子 所属 : 自立生活センター・あるる

障害名 : 軟骨無形成症

障害等級 : 4級

特技 : ちっちゃいけど、ちゃりんこに乗れること。

趣味 : ライブに行くこと。パソコンでジグソーパズルをすること。あと、食べること。

その他 : 都島区で一人暮らししています。近所の人のグループにいれてもらって、生協たのんでいます。カタログを見ているとついつい欲しくなり、私の冷蔵庫はいつもパンパンです。

ピアカウンセリングがエンパワメントへ
 私の障害は軟骨無形成症(なんこつむけいせいしょう)です。障害の特徴は手足が短くて、からだがちっちゃいことです。あと、同じ障害の人と顔がそっくりなことです。人は自分と似ている人が3人いると言われていますが、私の場合は3人どころの騒ぎではないです。今まで、自分と似ている人を覚えているだけでも6人いました。韓国にもいましたよ。ということは、ヨーロッパやアフリカ、アメリカにもそっくりな人いるのでしょうかね!? こんなふうに自分の障害のことを明るく話していますが、以前は自分の障害について、自ら語りたいとは思わなかったし、まわりの人から自分の障害のことを聞かれることがかなり嫌でした。

 私自身、生まれつきの障害ですが、身体障害者手帳を取ったのが25歳の時で、当時は手帳を取ることに激しく抵抗したことを思い出します。手帳を取って、初めて自分の障害名を知ったので、つい最近まで自分の障害について、何の知識もなかったし、知り合いもいませんでした。そんな私に「私にとっての障害受容」パート1に登場している「東谷さん」が同じ障害のピアカウンセラーの人と出会うチャンスをくれました。彼女との出会いは衝撃的でした。彼女はパワフルで、私にとって、素敵なロールモデルです。彼女と出会えたことでとてもエンパワーされました。ちょうど彼女と出会った時期にピアカウンセリングを知り、それが大きな転換となり、徐々に自分の障害と向きあいはじめました。

 ピアカウンセリングは障害をもつ人同士で時間を分けあって、話を聴くだけのとてもシンプルな手法でそれが自分にあっていたのだと思います。お互いに時間を分け合って、話を聴きあうこと(セッション)を繰り返しおこなうことが私に大きな力をもたらしました。セッションの中では共感や信頼があふれていること、ありのままの自分でいることが許され、それがただただ自分にはうれしかったのでしょうね。今ではピアカウンセリングが私にとって、かかせないものになっています。  ピアカウンセリングと出会い、セッションを繰り返すなかで、自分自身のことを否定することなく、この社会で生きていくと決めてはいても、日々生活するなかで自分が排除されていると感じることがあり、へこんでしまいます。環境的に排除されていることだけでなく、自分のことを否定する言葉や態度が私の力を奪ってしまい、自分自身で自分のことを否定してしまうことがあります。でも、自分のことを否定するのではなく、いろんな人とつながり、私だけでなく、どんな人も排除されることのない社会へと変革していこうと今は思います。

 私がいろんな 人とのつながりを深めるための一つとして、昨年再評価カウンセリング(RC(アールシー))の基礎クラスに参加しました。最初はこんなふうにはちっとも感じていなくて、信頼しているピアカウンセラーの人から誘われて、興味もあったので参加しました。  ピアカウンセリングでは、障害をもつ人とセッションしていました。RCでは障害があるなしに関係なく、時間を分けあってセッションします。障害のない人とのセッションは、私にとって大きなチャレンジでもあったので、いいチャンスに巡り合え、これからもRCを続けていこうと感じます。そう思えるきっかけがもう一つあって、ちょうどRCに参加しているときに腰が痛くなり、変化していく自分のからだと向き合う時間が持てたことです。

 ここ何年か前より、長い距離を歩くと足がしびれ、歩くのがつらくなり、休憩しながら歩いていました。徐々に歩ける距離も短くなってきていて、外出することやからだを動かすことが少なくなり、休みの日などは家でまったりと過ごしていました。  そんなときに突然腰の痛みを感じ、病院へ行こうと思いましたが、今まで病院に通ったことがないのでどこの病院へ行けばいいのかわからず、悩みました。とりあえず、近くの病院に行ってはみたものの、医師から言われる言葉は初めて聞く言葉ばかりで理解するのがむずかしく、家に帰ってからネットで自分と同じ障害の人のホームページを見て、ようやく状況を理解することができました。  当初はなかなか腰の状態がよくならないことで不安がつのり、変化していくからだをどのように受けとめていいものやらと悩みました。こんなときに同じ障害の人が近くにいたら、いろいろと相談できるのになぁ〜と感じました。

 今回、新たな 障害が出て、生活状況も変わることになり、いろんな不安がありましたが、RCで変化していくからだと向き合うことができてよかったです。でも、病院通いや医師とのやりとりにはかなり苦労しました。治療方法にも不信感が強くなり、他の方法で痛みをやわらげることに取り組もうと思い、病院通いをやめました。  病院通いをやめるきっかけとなったのが、同じような症状を持っている人にいろいろと痛みをやわらげるための方法を教えてもらったことです。彼女からのアドバイスはとてもおもしろかったです。いろんな方法があるのだといい勉強になりました。自分よりも重度の障害をもっているのに自分が想像もしていなかったようなことをやっていたことが新しい発見だったし、彼女のパワーを感じました。

 彼女からの アドバイスを受け、いろいろ試してみようかと思ってはみたものの、性格上コツコツ取り組む、継続するってことができなくて、気が向いたときに鍼をしに行ってみたり、お家でお灸をしてみたり、プールに行ってみたりしています。適度に取り組む。これが私のスタイルだと感じます。さぼるというか、力をぬくのが自分にとっては大切なことであり、心地よさだったりもします。  でも、やっぱり人生の転換期となったときにピアカウンセリングや再評価カウンセリングに出会えたことが、私には大きな力となっていたのだと思います。どちらも私にはかかせないものです。時間を分けあって、話を聴ききあうという手法がシンプルで誰にでもできて、いつでもどこでもできることが自分にはマッチしていて、これは続けていけるものだと感じます。

 これから、 からだの状況も変わっていくだろうから、今と同じようにセッションをして、自分のからだとじっくり向きあっていこうと思います。5年後、私はどんな生活をしているのでしょうかね!電動車椅子を乗り回しているのでしょうか?それとも今と変わらず生活しているのでしょうか?できたら、同じ障害の人で自分と顔が似ている人を集めて、街を練り歩いてみたいです。これが私たちの心地よさになり、社会を変えていくことにつながればいいなぁ〜と思います。

 最後に、 私がこの原稿を書いているとき、障害と向き合うきっかけにもなったロールモデルのピアカウンセラーがなくなりました。彼女は出会った当初から「同じ障害の人同士でピアカウンセリング講座をやりたいね」と言っていました。初めはあまり気がのらなかったけど、最近になってようやくおもしろそうだなぁ〜と感じ始めていて、彼女とそれが実現できなかったのはたいへん残念ですが、いつかこの夢をかなえたいと思います。そのためにも同じ障害の人とのネットワークを作って、助け合う関係性をもっと広げ、私自身が元気になりたいです。


戻る


TOPページに戻る