「巨木を追う」第9弾
杭全神社にて、巨大生物に遭遇
ぴあふれんず 西村 幸一
「巨木探偵社」ファンの皆様、ニュースドリーム編集スタッフの方々、第9回「巨木を追う」をお送り致します。
本日ご紹介致します巨木は、幹周り9.4m、大阪市平野区平野宮町の杭全神社に鎮座する、大阪市最大級のクスノキです。もっと気軽にアクセスできる方法があるのかもしれませんが、ぼくらは地下鉄谷町線平野駅から20分程歩きました。ちなみに途中の大念仏寺にも巨木があります。巨木をポイントに平野界隈を練り歩いてみるのもおもしろいかもしれませんよ。
実は今回の巨木は、阿遅速尾(あちはやお)神社の神主さんに教えてもらったものなのです。JR放出駅から徒歩5分のところにある阿遅速尾神社にも幹周り6.0mの巨木があって、その取材の際に「あんたら杭全のクスは見たのか」と情報提供いただいた次第です。そうした神主さんや地元の住民等との思いがけない語らいもまた、巨木探偵の楽しみとなっているのですが、そのときの語らいの中で、ずっと気になっていたある1つの疑問も解消されることになりました。常々ぼくは、どうして神社仏閣に巨木が多く生息しているのだろう?と不思議に思っていたのですが、阿遅速尾神社の神主さんによると「ここも社はあとからこしらえたんよ」ということでした。つまり、もともと信仰のあった特別の場所(例えば、山、大岩、そして巨木等の周辺)に建物をかまえ、事後的に神社という空間が形成されてきたというのです。うーん、なるほど。神主さんのお話を頂戴し、あらためて巨木の奥深さに感動したのでありました。
そして今回の杭全神社のクスノキですが、すごいです。不気味です。10mに達しようかという幹周りの迫力に加え、そのゆらめくような独特のフォルム。まるで巨大な深海生物のようです。「サカナが溺れないように、ぼくらは空気を知らない」、木を仰ぎ見ながらぼくは空想に耽っていました。宇宙人がいるとして、大気圏外の視座からすれば、ここは大気の海の底であるにちがいない。
大気中をスイスイ移動する鳥たちはさながら魚類の如し。灼熱の砂漠にも氷の上にも居住するぼくらは未知なるバクテリアか。ときたま大気圏外に飛び出していく宇宙飛行士達は、水の世界と空気の世界の境界を突き破るトビウオのような存在だろうか・・・。なんか今回は変な感じですね(笑)。普段は表にあらわれてこないようなイメージを引き出す力に満ちた特別な場所だったということでしょうか。杭全神社のクスノキの前で、ぼくの頭の中もユラユラゆらめいてしまいました。
いかがでしたか。ミステリーにロマンにサプライズ、今度はどんな巨木と出会えるのでしょう。それではまたお楽しみに。