〜今月の特集〜
ラブラブインタビュー
〜仲間が結んでくれた縁〜
ピアスクール修了生 木谷 登・優見夫妻
さて、今回のニュースドリームの特集は「障害者の恋愛・結婚」です。
ピア大阪では、「ピアスクール」を開講しています。そのピアスクール修了生どうしで結婚されたカップルが、木谷登さんと優見さんです。登さんは3期生、優見さんは5期生です。いや〜、ピアスクールの歴史の深さを感じますねえ。
登さんは1歳半の時にポリオ(小児マヒ)にかかり、車いすで生活されています。99年の12月から箕面市の自立生活センター「ライフタイムミント」に勤務し、現在55歳です。
優見さんは38歳まで健常者として生きてきましたが、脳塞栓という脳梗塞の一種が原因で、左上下肢マヒになりました。現在47歳で、証券会社で電話交換の仕事をされて5年目になるそうです。
結婚して間もなく4年ですが、互いへの愛情は深まるばかりというお二人に、ラブラブトークを繰り広げていただきました。
<インタビュー>
聞き手:お二人ともピアスクール修了生ですが、3期生と5期生ということで、一緒に受講していたわけではないですよね。知り合ったきっかけは何だったんですか?
優見さん:出会った場所はピア大阪。私が現役のピアスクール生だった頃、主人は「ぴあふれんず」でピア大阪に来ていたんです。
(注:「ぴあふれんず」とは、ピアスクール修了生による自主的なサークルです。旅行に行ったり、劇の公演をしたり、ピアカン勉強会を開くなど、活発な活動をしています。)
登さん:ピアスクール修了後一年ぐらいしてから、「ぴあふれんず」のメンバーから、劇を上演するから一緒にやらないかと誘われて、再びピア大阪に通いだしたんです。
聞き手:お互いの第一印象は?
優見さん:まじめでおとなしそうなおじさんやなあ〜ってカンジかな。
登さん:「ぴあふれんず」ではよく飲み会があって、そこには必ず彼女の姿があるんです。とにかくビールをジョッキでガバガバ飲んでいたのが印象的。面白い人やなあ、と思いましたね。
聞き手:一目惚れとかはなかったんですか?
優見さん:ううん。その頃はただの飲み仲間という感情しかなかったですね。
聞き手:なぜおつきあいすることに?
登さん:「ライフタイムミント」で働き始めた頃、仕事で疲れて、ピア大阪から足が遠のいてしまっていたんです。そんな時、ピア大阪で出会った仲間達が就職祝いをしてくれました。
優見さん:久々に会って、初めてお互いの大切さに気付いたんです。だから縁結びの神は、「ぴあふれんず」の仲間達ですね。
聞き手:プロポーズはどちらから?
登さん:私からです。当時、私は仕事仕事で、ゆとりがなかった。彼女といるとホッとしたんですよ。いつもは大勢での飲み会だけど、今度は二人で飲みに行こうと誘いました。
優見さん:もう、待ってましたとばかりに行きました(笑)。そこで、プロポーズされました。
聞き手:周りの反対はありましたか?
優見さん:私達の場合は、反対や壁は一切ありませんでした。二人とも結構歳だし、うちの両親も万々歳でした(笑)。
登さん:私も兄弟からは、結婚しないだろうと思われていましたからね。
聞き手:障害者どうしの結婚ということで、不安や苦労されたことはありますか?
登さん:高い所のものを取ったり、重いものの持ち運びは二人とも全くできませんが、今のところは他人の手を借りずに生活できています。
優見さん:初めて彼の家に行った時、高い位置にあるお風呂のドアには棒をつけていたり、棒で引っ掛けて洗濯物を干したり取り入(い)れたりできるようにしていたり、長年の一人暮らしでいろんな工夫がなされていたことに、びっくりしました。
登さん:互いにできること、できないことを分かり合えているんです。
優見さん:障害者同士だからこそ、思いやれることがありますね。彼は下半身が、私は左手足が不自由。だからウチでは、繕いものは夫の担当です。
聞き手:結婚生活は、幸せですか?
優見さん:この幸せを表現するなら、47年間生きてきた中で、親よりも自分よりも大切な人に出会った!ってカンジ。
登さん:彼女には、何でも話せます。
優見さん:夫というより、親友みたいです。
聞き手:出産や子育てについては、どうお考えでしょうか?
優見さん:互いの年齢のこともあるし、子育てをする体力に自信がないので、今のところ考えていません。
登さん:話し合った結果、二人で生きていこうと決めました。
聞き手:これから結婚しようと考えている障害者に対して、メッセージをお願いします。
登さん:結婚すると相手に対する責任を伴うし、それには自分が自立していないとね。「自立」とは、「一人暮らし」という意味じゃなくて、自分の生活を自分で決める、ということです。僕は、自分の生活を自分なりにしてきたつもり。だからこそ、結婚に踏み切れたんです。思い切りも大事ですよ。
優見さん:勢いですよね。今、彼の思いやりを感じるし、本当に結婚して良かったです。
登さん:元々他人だった二人が一緒に暮らすのだから、できるだけ相手の気持ちを汲み取っていかないとね。みなさん、がんばってくださいね。
聞き手:いや〜、お二人にお話が聞けて良かったです。本当にありがとうございました。