障害をもつことの不便さよりも、
社会的な壁に苦労しました。
ピア大阪 ピアカウンセラー(知的障害児の親)
大谷 悟さん
受け入れられなかった現実
私の息子は知的障害をもっています。18年前、超極小未熟児として生まれ、左目の視力も失いました。
私は現在桃山学院大学で福祉の人材育成に携っていますが、息子が生まれた当時は大手前整肢学園のケースワーカーとして、障害児の親御さんの相談を受ける毎日でした。
仕事を通じ、親の辛さやしんどさを理解した、いや、理解しようとしてきたつもりでしたが、自分が当事者(障害児の親)になり「まさか自分が・・・」という思いがずっと頭から離れませんでした。
そんな時、障害児をもつ親から「よかったね。ようやく当事者の立場になれたね」と言われました。当時は腹立だしかったこの一言が、逆に自分を奮い立たせてくれるようになったのは、それから一年たった頃でした。
本当の障害は、社会の壁だった
妻が働きたいと言うので、息子を保育所に預けようと行政に申請しても、「家でみられた方が良いのでは?」という返事。通常の生活ができるとの医者の意見書も添えた上での対応でした。何度も行政と話し合い、ようやく保育所に通うことができました。知的に障害をもつ、左目が見えない、そういった障害のもつ不便さよりも、社会的な障害を持たされる辛さを実感しました。
振り返って、そして今後
障害児をもつ親は、頑張ること、一生懸命やることを求められますが、親も癒されるべきです。そのためには、親が安心できること、何でも話せること、駄目と非難されないことが大事です。ピアカウンセリングの一つの大きなポイントは、そういう癒しの機能です。
ピア大阪でのピアカウンセラーとして10年経ちました。前半期は、自分が元気なうちはいいが、将来が不安だからどう自立させたらよいかという相談が多かった。しかし後半期は、自分が元気なうちに自立体験をさせたいと親が変わってきている。知的障害があっても、他人の援助をもらいながら地域で生きる環境を整えていこうという親が多くなってきたのは嬉しいことです。けれど反面、それでも持ちこたえられず、施設入所になってしまっている場合もあるのを見ると哀しくなります。
今後は、知的障害当事者が、当事者の相談にのるピアカウンセリングの体制を作っていきたいです。知的障害当事者のヘルパー養成も進んでいるのだから、やれないことはないと思っています。
相談は予約制です。ピア大阪までお電話ください。