2004年度 第3回 ピア大阪人権講座報告
徹底検証!? グランドデザイン!!
〜障害者自立支援法〜
講師 :古田 朋也さん(障害者の自立と完全参加を目指す大阪連絡会議事務局長。
当時は同事務局次長)
冨田 昌吾さん(寝屋川市民たすけあいの会事務局長)
コーディネーター :杉本 章さん(芦屋女子短期大学教授。
当時は賢明女子学院短期大学教授)
日時:2005年3月5日(土)午後1時30分〜4時30分
場所:東住吉区民ホール 参加者:105名
今回のテーマについて
杉本章さん
2004年10月に厚生労働省から出された「グランドデザイン案」。そして「障害者自立支援法」は、今後の障害者福祉に、すなわち私たちの生活に大きな影響を与えるものである。今回の講座は、グランドデザイン案の内容と課題、そして具体例を通して、私たちの生活がどのように変化するのかを徹底検証することが目的である。
第一部 講師より
古田朋也さん
まず、杉本章さんから、障害者福祉施策の推移、「障害者自立支援法」案の基本的性格について説明があった。杉本さんは、支援費制度が出発当初から財源問題で揺らいでいたと述べ、介護保険制度との統合は支援費制度の弥縫(一時的に間に合わせること)策であるとともに、介護保険制度の延命策でもあり、つまるところ「三位一体改革」を大義名分とした政府責任の放棄に他ならないと指摘した。
つづいて、古田朋也さんが、今回国会に上程された「障害者自立支援法」案の概要と問題点について講演した。古田さんは、厚生労働省が昨年の秋に「グランドデザイン」を発表して以来反対運動を展開してきたが、法案は応益負担の導入や、ケアマネジメントの義務化など、現在の施策から大きく後退させるものであり容認できないと強調、国会で審議を担当する厚生労働委員ですら十分内容を把握していないことを指摘、今後は国会に対する働きかけを強めていく必要があると訴えた。
冨田昌吾さんには、障害者の生活がこの法案の成立によってどのように変化するか、話してもらった。冨田さんは、この法案によって、これまでのサービスを使えてなかった人・自治体は変わらない一方、使えていたところが抑制される可能性が強いと指摘、これまでの障害者福祉や障害者運動の考え方を根こそぎ否定する危険性を危惧すると注意を喚起した。
冨田昌吾さん
第二部 質疑応答
3人の講演のあと、杉本さんのコーディネートの下で、質疑応答が進められた。
会場からは、13人から質問・意見があいついだ。「地域生活支援事業者と相談支援事業者は同じものか」、「支援事業が市町村に移行した場合、障害が最も重い人たちの支援にしわ寄せがいかないか」、「生活保護への影響はどうか」、「高次脳機能障害があるが、期限が来てどこにも入れなくなるのではないか」などさまざまな不安・疑問が表明されるとともに、厚生労働省に対する働きかけをもっと強めようという意見も出された。
各講師からそれぞれの質問について回答を行なうとともに、各々の立場で取り組みを強めていくことを表明した。