書評:『手話でいこう』
―ろう者の言い分 聴者のホンネ―

手話でいこう表紙画像
秋山なみ・亀井伸孝 著

 手話は、何年か前のテレビドラマ以来、かなりポピュラーになってきていますが、手話をコミュニケーション方法とするろう者の生活や障害については、ポピュラーではないと私は思っています。通訳問題、教育の問題、就労などなどなど。この本にも書かれていますが、大学に行くにも大変な苦労がある。受験に合格しても大半の大学は、通訳保障がない。以前から私は、おかしいと思っていたけれど、この本を読んでびっくりしたのは、受験さえ断ってきた大学があったということです。なぜなんだろう? 勉強したいというだけなのに。読んでいて悲しくなってきました。

 また、私は、この本を読むまで、建物の構造と手話によるコミュニケーションを結びつけることがありませんでした。聴覚の障害は、コミュニケーションと情報障害が主で、それと家の中の構造が関係あるなんて目から鱗状態です。この他、今まで私が、誤解していたことや新しい発見などが書かれていました。また、この本は、一方通行ではなく、聴者の立場から見たことも記載されています(ろう者の奥さんと聴者の夫)。聴者の立場で、「そうそう!」と共感できる部分もあり、楽しく読めました。

 内容的には、ふだん聞くことが無い、大学生活や苦労話など、けっこうハードなことも書いてあると思いますが、気楽に読めるようになっています。きっと読んだ後、新しい発見や「なるほど!」と思うことが出てくると思います。お勧めの1冊です。(K・H)


《ミネルヴァ書房 2004年12月刊。ピア大阪情報資料室にもあります》




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